Artist in Café
赤澤玉奈
2022.12.15-24
同じ状態を別々の感じ方で捉える二人が出会い、お互いの似ているところと違いを肯定するところを二つの声部からなるポリフォニー的に展開した詩作品から作品を展開し、展示します。
半年前から体調を崩し、幻聴が聞こえるようになった。
変化は徐々にあったがことの起こりは突然で、ある日自分の考えていることが読み上げられていると感じる幻聴が出現した。他者音声性の思考聴取。自宅に帰る道にある幼稚園の前、当時一緒に住んでいた友人に手を握って貰いながら実家のほうへ帰り精神科を受診した。
病気の症状が酷く寝ることしかできなかったときは、誰かがずっと頭のなかで話していて、物を考えようとしても内容を攫われてしまい自分の体を自分で操縦している感覚が弱まりずっとふわついていた。操作性を取り戻したくて、抵抗として自分の症状についてドローイングをして、詩を書いていた。何が身に起こっているかを描写し人に共有しようとした。救われたのは家族の中に同じ病気と付き合っている人が居たことだった。症状として幻蝕を持っていたのだが、人に話したくないことでかつ特に私を苦しめていたので似たような現象が身に起こっていたという家族に開示をして、同じ症状でも同じところと違うところがあるね、と共有をした。
今回の展示は当事者研究的に症状と向き合い、渦中にいた私しか感じられなかった体の現象を確かにあったと記録しつつ、ほぼ寛解し、弱まっていくそれらの症状に対しての喪の作業として制作したものを展示する。
日時:2022年12月15日(木)-12月24日(土)
(木金土日のみ開催)
木・金 14:00-19:00
土・日 13:00-18:00
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連動企画「体の中から手に持てる石」
参加者にその場にある石の中から一つを選んでもらい、それぞれの不安や悩み、トラウマ的に自身にこびり付いてしまっているものを石へドローイングします。抜いた虫歯を見るときのようにそれぞれの痛みを客観視し、絵と石への変換によって作者を媒介してものとして重みを感じてもらい、悩みや不安を手にもって取り扱うことができるようになるような体験を目指します。
日時:会期中全日開催
料金:1000円
お問い合わせ:akazawakame0205@gmail.com
赤澤玉奈/TAMANA Akazawa
当事者研究の実践としての絵画と詩の制作。またそれらを用いたコミュニケーション方法の模索をしています。
Twitter:@akzwtmn https://twitter.com/akzwtmn
Instagram:@akz_wakame0205 https://www.instagram.com/akz_wakame0205/?hl=ja
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2018 藝祭2018「NI/O」(東京藝術大学絵画棟)
2019 東京藝術大学油画専攻学部3年生展覧会「NI/O」(アーツ千代田3331、秋葉原)
2019 「イッチトフイッチ」(rusu、目黒)
2020 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻4年生卒業制作学内展(東京藝術大学絵画棟)
2020 第68回東京藝術大学卒業・修了作品展(東京都美術館)
2020 「鏡の前に立つ」(Room_412、渋谷)
2021 「ドローイング文通展」(さんさき坂カフェ、千駄木)
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