-物語は終焉しても世界は終わらない。
弱法師(よろぼし)は三島由紀夫が昭和35年に発表した近代能楽集の最後に収録された戯曲です。三島由紀夫は1925年 昭和の変わり目に生まれ、有名な市ヶ谷駐屯地の割腹自殺に到るまで昭和を体現する人物として生涯を送りました。三島は戦争当時、病弱体質上徴兵へ行けなかったことを悔やみ、戦後を余生として捉えるようになりました。この『弱法師』にもその思想が大きく顕れています。
平成最後となった2018年の夏。本作の演出である植村真をはじめ、スタッフ・キャストは全て平成元年の前後に生まれました。空白の10年、20年と言われた平成を生きてきた私たちはこの作品とどのように関わることができるのか。近年物語の「終わり」について考え続けてきた植村が役者たちのドキュメンタリーと戯曲のフィクションを交錯させながら新たな終末を現前していきます。
LIVE RALLY『 弱法師-Experience of the End- 』
2018年9月29日(土) – 30(月)
原作|三島由紀夫 近代能楽集より『弱法師』
(『近代能楽集』所収 新潮文庫刊)
演出・映像|植村 真
出演|島林瑞樹 吉見茉莉奈 山本大介 野崎詩乃 上野晃一 上埜すみれ
音楽|小野龍一 音響|増田義基 美術|仁科 緑 舞台監督|三富翔太
衣装|稲垣佑磨 照明|平川友貴 演出助手|横井春香
宣伝美術写真|進藤綾音 チェロ|久保田佑里 撮影|坂田貴大
制作|LIVE RALLY
協力|東京藝術大学演劇部
【詳細はこちら】